「神へ捧げたクロスオーバー」アイバーソンがマイケル・ジョーダンに抱いたリスペクト

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「神へ捧げたクロスオーバー」アイバーソンがマイケル・ジョーダンに抱いたリスペクト

バスケットボールの歴史において、アレン・アイバーソンほど「誤解」されてきた男はいない。コーンロウ、タトゥー、バギーパンツ。当時のコミッショナーが顔をしかめるようなヒップホップ・スタイルを貫いた彼は、しばしば「不遜な反逆児」の象徴として扱われた。その後NBAでは選手にスーツや襟付きシャツの着用を義務付けるドレスコードを制定されるきっかけとなった。

しかし、その内側にあったのは、誰よりも純粋な「マイケル・ジョーダンへの憧れ」だ。今回は、1997年の伝説的なマッチアップから、涙の殿堂入りスピーチまで。アイバーソンがそのキャリアを通じて示し続けた、ジョーダンに対する真のリスペクトの形を紐解いていく。

1. 神に挑んだルーキー。アイバーソンが抱き続けた「ジョーダン愛」の真実

アレン・アイバーソンにとって、マイケル・ジョーダンは単なる「偉大な先輩」ではなかった。彼は後に「マイク(ジョーダン)は僕にとって、文字通り神のような存在だった」と繰り返し語っている。

誰よりも「マイケル・ジョーダン」になりたかった少年時代

バージニア州の過酷な環境で育ったアイバーソンにとって、ジョーダンは暗闇を照らす唯一の光だった。多くの子供たちがジョーダンに憧れたが、アイバーソンのそれは「盲信」に近い。

彼はジョーダンのあらゆる動きをビデオで研究し、真似た。しかし、それはプレイスタイルをコピーするためだけではない。どんな窮地でも不敵に笑い、勝利を奪い去るジョーダンの「精神性」を己に叩き込むためだった。後に「答え(The Answer)」と呼ばれることになる男の闘争心の源泉には、常に背番号23の影があったのだ。


2. 1997年3月12日、あの「クロスオーバー」の裏側

1996-97シーズン、リーグに衝撃を与えていたドラフト1位ルーキー、アイバーソンがついに「神」と対峙する日がやってくる。フィラデルフィアのコートで、世界中が目撃したのは、一つの時代が交差した瞬間だった。

オーラに圧倒されたルーキーと、フィルの指示

アイバーソンは後に、初めてコートでジョーダンを見た時の衝撃を回想している。「彼から放たれるオーラは異常だった。まるで光り輝いているようで、実在する人間だとは思えなかった」。試合前、どれだけ強気な発言をしていても、いざ目の前に立つと足が震えるほどのプレッシャーを感じたという。

一方、ブルズのフィル・ジャクソン監督は新人アイバーソンに対し、ジョーダンにマッチアップさせた。

「最高の人間に、自分の技を試したかった」

試合中、トップの位置でジョーダンと1対1になったアイバーソン。会場のボルテージは最高潮に達した。アイバーソンは左へ、そして右へと電光石火のクロスオーバーを繰り出す。あのジョーダンが、一瞬わずかに反応を遅らせた。

アイバーソンはその隙を見逃さず、美しいフォームでジャンプシュートを沈めた。

後年、彼はこのプレーについてこう語っている。「生意気だと思われたかもしれないが、あれは最大のリスペクトだったんだ。リーグ屈指のディフェンダーを相手に、自分の持てる最高の技をぶつける。それが僕なりの敬意の示し方だった」。この瞬間、アイバーソンは単なるルーキーから、次世代を担うスターへと押し上げた。


3. 20年越しの告白。殿堂入りスピーチで溢れ出した涙の理由

時が経ち、2016年。バスケットボール殿堂入りの式典の壇上に、アイバーソンは立っていた。これまでの数々の騒動や栄光を振り返る中で、彼の口から出た名前の一つが、やはりマイケル・ジョーダンだった。

「彼がいなければ、今の私はいない」という魂の叫び

スピーチの最中、アイバーソンの瞳は潤んでいた。彼はジョーダンに対し、公の場でこう宣言した。「マイクに感謝したい。彼になりたかったから、私はここまで来られた。彼が道を示してくれたから、私はバスケットボールを愛することができた」。

キャリアの終着点で見せたその姿は、憧れのヒーローを前にした一人の少年に戻っていた。ジョーダンがバスケットボールという競技にもたらした熱狂が、アイバーソンという一人の天才を育み、そのアイバーソンがまた次の世代に影響を与える。その血の通った継承が、あのスピーチには凝縮されていた。

 

“I have to thank this man, because without his vision, I promise you, there wouldn’t be no Hall of Fame Allen Iverson standing at this podium if it wasn’t for this guy. He gave me the vision, man. And you want to be fast like Isaiah and you want to shoot like Bird. Rebound like Barkley. Pass like Magic. Be dominant like Shaq. But man, I wanted to be like, Mike.”

この男には感謝しなければならない。彼のビジョンがなければ、この表彰台に立つ殿堂入りのアレン・アイバーソンは存在しなかっただろう。
彼は私にビジョンを与えてくれたんだ。
アイザイアのように速くなりたい、バードのようにシュートを打ちたい、バークレーのようにリバウンドを取りたい、マジックのようにパスを出し、シャックのように支配的になりたい。

でも、私はマイクのようになりたかったんだ。


4. 今も続く「神とファン」の微笑ましい関係性

引退後、二人の関係はより親密なものとなっている。オールスターゲームの会場やイベントで再会するたび、二人は熱い抱擁を交わす。アイバーソンは今でも、ジョーダンを前にすると少し背筋を伸ばし、照れくさそうな表情を浮かべる。

「今でもマイクに会うと緊張するんだ」と笑うアイバーソン。かつてコートで神をアンクルブレイクしようとした男は、今もなお、世界で一番のジョーダン・ファンであり続けている。

この二人の物語は、単なる記録の比較では測れない。アイバーソンがジョーダンを追いかけ、ジョーダンがそれを受け止める。この美しい関係こそが、NBAが世界中で愛される理由の一つなのだ。


なぜこの二人の物語は、胸を打つのか

90年代からシーンを見届けてきた人間として、アイバーソンという男の美学には常に痺れさせられる。世間は彼を「ジョーダンへの挑戦者」として描きたがった。確かに、あのクロスオーバーは衝撃だった。

この物語にはブレない一点がある。アイバーソンの「誠実さ」だ。彼は一度もジョーダンを軽んじたことはない。

私たちは今、彼らのような強烈な個性がぶつかり合い、かつ深い敬意で結ばれる物語を、再び求めているのかもしれない。


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