Fugeesがブラジルで再集結!『The Score』30周年、プラズ不在の中で見せる「希望」とは?

ENTERTAINMENT

Fugeesがブラジルで再集結!『The Score』30周年、プラズ不在の中で見せる「希望」とは?

2026年6月6日、ブラジル・リオデジャネイロのイパネマビーチ。この地で、ヒップホップ史に刻まれる「事件」が起きようとしている。Lauryn Hill(ローリン・ヒル)とWyclef Jean(ワイクリフ・ジョン)の再会。それは、90年代を象徴するモンスター・グループ、Fugees(フュージーズ)の事実上の再結成を意味する。音楽ファンなら誰もが耳を疑い、そして同時に、ある種の「危うさ」を直感したはずだ。今回の再結成は、彼らの金字塔的アルバム『The Score』のリリース30周年を祝うものであると同時に、あまりにも重い現実を背負ったステージとなる。

Fugeesがリオのビーチに降臨。奇跡の再結成が持つ「真の狙い」

今回の再結成の舞台は、Global Citizenがリオデジャネイロで開催する大型イベントだ。リオの自然と気候変動にフォーカスした「Rio Nature & Climate Week」の締めくくりとして、入場無料のチケット制イベントが開催される。

『The Score』30周年記念。伝説が再び動き出す

1996年2月にリリースされた『The Score』は、単なるヒット作ではない。ヒップホップとレゲエ、ソウルを極めて高い次元で融合させ、ジャンルの境界線を消し去ったマスターピースだ。「Ready or Not」の緊張感、「Killing Me Softly」の陶酔感、「Fu-Gee-La」の爆発力。これらを収めたアルバムは、1997年のグラミー賞で最優秀ラップ・アルバムを受賞し、全米チャートの頂点に立った。

あれから30年。ローリンとワイクリフが同じステージに立つことは、もはや奇跡に近い。かつて愛憎半ばする関係でグループを解体させた二人が、この節目の年に「世界をより良くするためのアクション」として手を取り合う。その大義名分こそが、今回の再結成を動かす最大のエンジンとなっている。

プラズ・ミシェルの不在。14年の刑期がもたらした「不完全な再結成」

しかし、この再結成には決定的な欠落がある。Fugeesの第3の男、Pras Michel(プラズ・ミシェル)の姿はない。彼は2023年、マネーロンダリングや外国ロビー活動に関連する複数の罪状で有罪評決を受けており、現在も量刑確定を巡る状況が続いている。

3人揃ってのFugees。その完璧なトライアングルは、物理的に不可能となった。ワイクリフが「リオの美しい人々と共に、世界を良くするために行動すること以上に、『The Score』の30周年を祝う方法は思いつかない」と語る一方で、プラズの不在は、このグループが辿った数奇で悲劇的な運命を象徴している。


再結成の可能性と障壁。なぜ我々は「今」Fugeesを求めるのか?

今回のニュースに狂喜乱舞する一方で、古参のファンほど「本当に開催されるのか?」という疑念を拭いきれないだろう。それほどまでに、近年の彼ら(特にローリン・ヒル)を巡るライブの状況は不安定だった。

キャンセル続きの過去を払拭できるか?ローリン・ヒルの現在地

ローリン・ヒルといえ近年はライブ開始時間や公演運営を巡って議論を呼ぶことも少なくなかった。2023年から2024年にかけて行われた『The Miseducation of Lauryn Hill』の25周年ツアーも、声帯のトラブルや体調不良を理由に何度も延期・中止を繰り返してきた。

だが、それでも我々は彼女を待ってしまう。なぜなら、彼女がひとたびマイクを握れば、その瞬間に空気を支配する圧倒的なカリスマ性が健在であることを知っているからだ。今回のリオ公演は、彼女にとって「信頼回復」のラストチャンスになるかもしれない。Global Citizenという巨大な国際的プラットフォームでの失態は許されない。

次世代へ繋ぐステージ。YGマーリーとザイオンの参戦

今回のライブが単なる「過去の焼き直し」に終わらないことを示唆しているのが、共演者のラインナップだ。ローリンの息子であるYG MarleyやZion Marleyがステージに名を連ねている。

特にYG Marleyは、自身の楽曲「Praise Jah in the Moonlight」の世界的ヒットにより、母の七光りではない実力を証明したばかりだ。レゲエの血脈、そしてFugeesが提示してきた「音楽による社会変革」の意志が、次の世代に受け継がれている姿を見せること。これこそが、今回の公演に深みを与える要素となる。


シーンへの影響と未来。単なる再結成で終わらせないために

Fugeesの再結成が、2026年の音楽シーンに与える影響は計り知れない。現在のヒップホップ・シーンはトラップ以降の過渡期にあり、改めて「リリシズム」や「生楽器のグルーヴ」が見直されている。その源流の一つが、まさにFugeesだ。

再接続(reconnection)の可能性について

ここで注視すべきは、彼らがこの公演を機に、永続的なグループ活動へと「再決済」を果たすかどうかだ。 結論から言えば、フルメンバーでの恒久的な復活は極めて困難だ。プラズの懲役14年という壁はあまりにも高く、彼抜きでの活動はあくまで「特別編成」の域を出ない。しかし、ローリンとワイクリフが再びクリエイティブなパートナーシップを回復させるのであれば、新曲の制作や、デュオとしてのプロジェクトは十分にあり得る。

音楽と政治、そして責任

今回の公演の論点は、彼らが「Global Citizen」という政治的・社会的な文脈で復活することにある。Fugeesはもともとハイチ難民としてのアイデンティティを根底に持つグループだ。彼らが環境問題や貧困撲滅を掲げるイベントで歌うことは、グループの原点回帰とも言える。

しかし、プラズが「国家に対する詐欺」で収監されているという皮肉な現実は、グループのメッセージ性に少なからず影を落とす。音楽による救済を歌いながら、メンバーの一人は法を犯し、もう一人はライブの約束を破り続けてきた。この「人間としての脆さ」を抱えたまま、彼らがリオのビーチでどのような言葉を紡ぐのか。そこにこそ、2026年のリアルがある。


Review:30年経っても色褪せない『The Score』の多層性

ここで改めて、彼らがリオで披露するであろう楽曲たちの基盤、アルバム『The Score』について振り返っておきたい。

このアルバムが発表された1996年当時、東海岸と西海岸の抗争が激化し、ヒップホップは暴力的なムードに包まれていた。その中でFugeesが提示したものは、アコースティック・ギターの響きと、ダブの残響、そして力強いメッセージだった。「Killing Me Softly With His Song」で見せたローリンの歌唱力は、ラッパーが歌うことの可能性を広げ、R&Bとヒップホップの完全な融和を成し遂げた。

「Fu-Gee-La」でのワイクリフの多才なプロデュースワークは、サンプリングソースの選び方からリズムの組み方に至るまで、当時の水準を遥かに超えていた。現在、アフログルーヴやアマピアノがチャートを席巻しているが、その「多国籍なリズムをヒップホップに落とし込む」というアプローチの先駆者は、間違いなく彼らだったのだ。

リオのビーチという開放的な空間で、これらの楽曲が放たれる瞬間を想像してみてほしい。彼らがカバー/パフォーマンスしてきた「No Woman, No Cry」は、30年の時を経て、新たな意味を持つはずだ。それは失われたメンバーへの鎮魂歌であり、同時に、過ちを繰り返しながらも進み続ける人間への賛歌となるだろう。


まとめ

Fugeesの再結成は、常にスキャンダルや不安と隣り合わせだ。しかし、それでも我々は彼らから目を離すことができない。
今回のリオ公演が、過去の栄光を切り売りするだけのショーに終わるのか。それとも、21世紀の混迷する世界に向けた新たな咆哮となるのか。その答えは、6月6日のステージで明かされる。

 

引用元

  • line
  • facebook
  • twitter

PRODUCTS

KRS ONE / SOUND OF DA POLICE(YELLOW VINYL) 7inch 【取り寄せ商品】

KRS ONE / SOUND OF DA POLICE(YELLOW VINYL) 7inch 【取り寄せ商品】 ¥4,315 税込

Normski: Man With the Golden Shutter

Normski: Man With the Golden Shutter ¥11,137 税込

FUNKO POP! ROCKS: TLC- Left Eye 【新品未開封】

FUNKO POP! ROCKS: TLC- Left Eye 【新品未開封】 ¥3,300 税込

De La Soul/ De La Soul is Dead,カセットテープ【新品未使用】

De La Soul/ De La Soul is Dead,カセットテープ【新品未使用】 ¥3,300 税込

ONE LOVE ( MISTER MUSHI EDIT ) 7inch 【取り寄せ商品】

ONE LOVE ( MISTER MUSHI EDIT ) 7inch 【取り寄せ商品】 ¥3,638 税込

YOUTH CULTURE 1980S

YOUTH CULTURE 1980S ¥2,708 税込