Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)の半生を描く伝記映画『Snoop』が、2027年8月6日に全米公開される。配給はUniversal Pictures。監督は『Hustle & Flow』や『Song Sung Blue』で知られるCraig Brewerが務め、主演のSnoop役にはドラマ『Outer Banks』のJonathan Davissが起用された。 『Straight Outta Compton』に続き、西海岸ヒップホップの歴史をスクリーンで描く作品としても注目される本作。Dr. Dre、2Pac、Suge Knight、Warren G、Nate Doggら、90年代のシーンを形作った実在の人物たちの配役も発表されている。 本稿では、公開日や製作陣、発表済みのキャストを整理するとともに、213の結成からDr. Dreとの出会い、Death Row Recordsの黄金期に至るまで、スヌープのキャリアを音楽史の流れに沿って振り返る。
目次
映画『Snoop』最新情報――公開日・監督・プロデューサーの全容
2027年8月6日全米公開:Universal PicturesとDeath Row Picturesの包括契約
スヌープ・ドッグの半生を描く伝記映画『Snoop』が、米Universal Picturesの配給により2027年8月6日に全米公開される。
2Pac(『All Eyez on Me』)、The Notorious B.I.G.(『Notorious』)、Eminem(音楽映画『8 Mile』)、N.W.A(『Straight Outta Compton』)、50 Cent(『Get Rich or Die Tryin’』)など、これまでにもヒップホップ史の重要人物やグループの歩みは映像化されてきた。今作では、西海岸を代表するラッパーであるスヌープの歩みが描かれる。
本作は、Snoop Doggが率いるDeath Row PicturesとNBCUniversal Entertainmentが結んだ複数年にわたる包括契約に基づく最初の長編映画プロジェクトとして位置づけられている。音楽活動にとどまらず、近年ではオリンピック特派員や料理番組の共同ホストなど多岐にわたる活躍を続ける彼のキャリアの原点が、劇場作品としてまとめられる。
Craig Brewer監督とBrian Grazer、Sara Ramakerらによる製作体制
監督を務めるのは、ラップを題材にした映画『Hustle & Flow』や、映画『Song Sung Blue』を手がけたCraig Brewerだ。
製作陣には、Universal Picturesの発表によるとImagine EntertainmentのBrian Grazer、スヌープ本人、そしてDeath Row Pictures社長のSara Ramakerが名を連ねる。さらに米メディアTheWrapなどは、Allan Mandelbaumもプロデューサーとして参加すると報じている。
「次は俺の番だ」:CinemaConで語られた映画化への思い
本作が大きく注目を集めたのは、米ラスベガスで開催された映画コンベンション「CinemaCon」のステージだった。スヌープ本人はJonathan Davissとともに登壇し、映画化への思いを語った。
スヌープは、2015年にヒットを記録したN.W.Aの映画『Straight Outta Compton』に触れながら、次のように語っている。
「After my brothers got to tell their story with Straight Outta Compton, now it’s my turn.(兄弟たちが『Straight Outta Compton』で自分たちの物語を語った後、今度は俺の番だ)」
さらに、監督のCraig Brewerについても言及した。
「[Brewer] just showed us how hard it is out here for a pimp from Hustle & Flow. And then last year, he got us all singing ‘Sweet Caroline,’」
『Straight Outta Compton』の終盤、スタジオで若き日のスヌープとDr. Dreが出会う場面が描かれていた。映画『Snoop』は、その時代以降の西海岸シーンがどのように展開していったのかを知る上でも重要な位置づけとなる。
スヌープ・ドッグ役からDr. Dreまで:発表された主要キャスト
主演Snoop Dogg役は『Outer Banks』のJonathan Daviss

主演のSnoop Dogg役には、Netflixの人気シリーズ『Outer Banks』のポープ役で知られるJonathan Daviss(通称 JD)が起用された。
『Straight Outta Compton』でスヌープ役を演じたのはLaKeith Stanfieldだった。当初、スヌープ本人はNipsey Hussleを推薦し、出演を打診したという。Nipseyは、自分がスヌープのイメージと結びつくことを避け、自身のキャリアを築くためにオファーを断ったと、後年スヌープが明かしている。今回、若き日のスヌープという大役をJonathan Davissがどう演じるのかに関心が集まっている。
Dr. Dre役は『BMF』のMyles Bullock

スヌープのキャリアを語る上で欠かせない存在であるDr. Dre役には、ドラマ『BMF』に出演したMyles Bullockが起用された。
二人は「Nuthin’ But a G Thang」や「Still D.R.E.」など、数々のヒット曲を生み出してきた共同作業者だ。スタジオでの楽曲制作や二人の関係性が劇中でどのように描かれるのかも、見どころの一つだ。
妻Shante役のLaya DeLeon Hayesと、母Beverly Tate役のLauren London
家族や近しい人物のキャスティングも進んでいる。高校時代からの交際を経て1997年に結婚し、3人の子ども(Cordé、Cordell、Cori)を持つ妻Shante Broadus役には、Laya DeLeon Hayesが選ばれた。彼女は自身のInstagramで以下のように喜びを伝えている。
「Dream come true. Beyond honored to bring this story to life.(夢が叶いました。この物語に命を吹き込むことができ、この上なく光栄です)」
また、スヌープの母親であるBeverly Tate役には、映画『ATL』などで知られるLauren Londonがキャスティングされた。Lauren Londonは2004年のシングル「Drop It Like It’s Hot」のミュージックビデオに出演した経歴もある。
213結成からDeath Row黄金期へ:歴史を動かした重要人物の配役
213の結成とDr. Dreへの接点:Warren G(Algee Smith)とNate Dogg(Corey Champagne)
スヌープのブレイクの背景には、ロングビーチでのルーツとグループ活動が存在する。
スヌープは、Warren GやNate Doggとともにグループを結成した。グループ名の「213」は、当時ロングビーチを含むロサンゼルス地域で使われていた市外局番に由来する。この213のデモテープがDr. Dreの耳に届いたことは、スヌープが本格的に音楽活動を展開する転機となった。
Warren Gは、親同士の再婚によってDr. Dreの義理の弟にあたる。あるパーティーで213のデモテープを流したところ、音源に興味を持った関係者を通じてDreの耳にも届いた。Dreはメンバーをスタジオに招き、これがスヌープとの共同制作につながっていく。

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Warren G役:Algee Smith
BETの伝記ミニシリーズ『The New Edition Story』でRalph Tresvant役を演じた俳優。

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Nate Dogg役:Corey Champagne
スヌープの年上のいとこであり、G-Funkを象徴するシンガー。数々の楽曲に低く滑らかな歌声でフックを加えた。2011年、41歳で死去している。
Above the LawのCold 187umらもG-Funkの形成に貢献するなか、Dr. Dreは『The Chronic』(1992年)でそのサウンドを洗練させ、広く普及させた。同作に大きくフィーチャーされたスヌープも、全米のリスナーに知られるようになる。
そして1993年、Dr. Dreのプロデュースによるスヌープのソロデビュー作『Doggystyle』が発表され、Billboard 200で初登場1位を記録し、スヌープをトップアーティストの地位へと押し上げた。
Death Row Recordsの設立と拡大、そしてその後:Suge Knight(Tre Hale)

Death Row Recordsの共同設立者であり、1992年にスヌープをレーベルに引き入れたSuge Knight役には、Apple TV+のシリーズ『Platonic』に出演したTre Haleが起用された。
Suge Knightの足跡は、レーベルの急成長と、その後に生じた刑事事件を分けて理解する必要がある。
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Death Row Recordsの拡大
強力な経営・プロモーション手法を背景に、Dr. Dre、Snoop Dogg、2Pacらを擁するレーベルとして、90年代のヒップホップ市場で大きな影響力を持つようになった。
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暴力と法的問題
一方で、レーベル内外でのトラブルや暴力行為が問題視され続けた。2015年1月、コンプトンの飲食店駐車場でピックアップトラックを運転し、2人をはねる事件を起こした。Terry Carter氏が死亡し、もう1人も負傷。Knightは2018年9月、故殺罪(voluntary manslaughter)について不抗争の答弁(no contest)を行い、同年10月に懲役28年の判決を受けた。
映画のなかで、急成長を遂げるレーベルの様子と、その裏で生じていた緊張感がどう描かれるのかが注目される。
The Lady of Rage、Kurupt、RBX――黄金期を支えたアーティストたち
Death Row Recordsの全盛期を支えたレーベルメイトたちも劇中に登場する。

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The Lady of Rage(演:Jonica Booth)
Death Rowに所属した実力派女性ラッパー。『Doggystyle』をはじめレーベルの重要作に参加した。
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Kurupt(演:Olly Sholotan)
フィラデルフィアから西海岸へ移住し、初期Death Rowと契約。Daz DillingerとともにTha Dogg Poundを結成したラッパー。ドラマ『Bel-Air』のCarlton役で知られるOlly Sholotanが演じる。
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RBX(演:Bentley Green)
スヌープのいとこであり、『The Chronic』収録の「Stranded on Death Row」などに参加したメンバー。
2Pac、Biggie、そしてAfeni Shakur:西海岸ヒップホップを取り巻いた人間関係
2Pac役のCamron Jonesと、母Afeni Shakur役のCynthia Erivo

1990年代半ばにDeath Row Recordsに加入し、シーンを席巻した2Pac役にはCamron Jonesが起用された。スヌープと2Pacは同じレーベルに所属し活動をともにしたが、その関係性は単純なものだけではなかった。
また、2Pacの実母であるAfeni Shakur役には、映画『Wicked』や舞台などで高い評価を得ているCynthia Erivoが起用された。
Afeni ShakurはBlack Panther Partyの活動家として知られる。2Pacは楽曲「Dear Mama」などで母親への思いを表現しており、彼女の生き方や親子関係は、アーティストとしての2Pacを理解する上でも重要な要素となる。演技派として名高いCynthia Erivoが加わることで、アーティストの背景にある家族や社会的ルーツがどのように描かれるか期待される。
東西の対立構造と個人の関係:The Notorious B.I.G.役のSwayvoTwain
Death RowとBad Boyの対立が注目を集めた時期、ニューヨークを代表するラッパーであったThe Notorious B.I.G.(Biggie)を演じるのは、D’AngeloとAngie Stoneの息子であるSwayvoTwainだ。
当時のシーンではレーベル間の対立構造が大きく取り沙汰されたが、SnoopとBiggieの関係は必ずしもその構図だけでは説明できない。Snoopは後年、Biggieとの交流や、2Pacの死後に彼と会った際の出来事を振り返っている。東西の対立が激化するなかで、個人間には別の関係性も存在していた。
ロングビーチ時代を知る人物:Big Reecie Cup役にラッパーG Pericoが起用
スヌープのロングビーチ時代に関わる人物、Big Reecie Cup役には、サウス・ロサンゼルス出身のラッパー、G Pericoが起用された。
Varietyなどの報道では、Big Reecie Cupはスヌープのロングビーチ時代を知る重要人物として紹介されている。現行の西海岸ヒップホップシーンで活動する現役ラッパーの起用が、実在の人物を通じてどのような演技を見せるのか注目したい。
まとめ
ヒップホップの伝記映画が続くなか、『Snoop』が描くべきなのは、一人のスターの成功だけではない。ロングビーチで213として活動していた若者がDr. Dreと出会い、G-Funkの広がりとともに全米へと知られていく過程には、90年代の西海岸ヒップホップの変化が刻まれている。その一方で、Death Row Recordsの拡大、Suge Knightをめぐる問題、東西抗争、そして2PacやBiggieの死など、当時のシーンには成功だけでは語れない現実もあった。
Snoop Doggは、その時代を生き抜き、現在も音楽やエンターテインメントの第一線で活動を続ける人物だ。Craig Brewer監督が、彼の長いキャリアのどこに焦点を当て、周囲の人物との関係をどう描くのか。単なる成功物語にとどまらず、当時の西海岸ヒップホップをどのような視点から描くのか期待したい。
映画『Snoop』の公開
2027年8月6日の全米公開に向けて、今後もキャストの追加発表や映像の解禁などが予想される。
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映画『Snoop』基本情報
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全米公開予定:2027年8月6日
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配給:Universal Pictures
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監督:Craig Brewer
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製作:Brian Grazer、Snoop Dogg、Sara Ramaker(Allan Mandelbaumの参加も報道)
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主演:Jonathan Daviss(Snoop Dogg役)
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